補強土壁の種類と施工方法

2016.01.08
補強土壁の種類と施工方法

都市部や山岳部など、用地に制限がある場所で、垂直に近い壁面を補強することが可能な土留め構造物である補強土壁についてご紹介します。

 

 

◆補強土壁とは?


補強土壁は、土の中に補強材(プレート付き棒鋼や帯状鋼材)を入れることで、垂直もしくは垂直に近い壁面を補強する土留め構造物です。

補強土壁の原理は、垂直に近い壁面に作用する土圧に対して、補強材の引抜き抵抗力によって釣り合いを保ち、土留め壁として効果を発揮しています。

コンクリート擁壁に比べ、補強土壁と盛土が一体化されているので地震に強く、部材が細分化されているので狭い場所での施工が可能となります。

 

補強土壁は、補強材や壁面工の種類によって多種の工法があります。

・テールアルメ工法

・多数アンカー式補強土壁

・ジオテキスタイル補強土壁

などです。

それぞれ設計・施工方法の考え方が示されていますが、設計方法については統一されていません。

※設計の考え方は、基本的には各工法のマニュアルによりますが、共通して準拠すべき基本事項および注意事項は「道路土工・擁壁工指針」に従っています。

 

 

◆補強土壁の施工方法


補強土壁は主に3つの部材で構成されています。

補強材・・・支圧抵抗により補強可能なアンカープレート付棒鋼、摩擦抵抗力により補強可能な帯状鋼材、摩擦抵抗+支圧抵抗+せん断抵抗の三位一体で地震に強いチェーン(鎖)などがあります。

壁面材・・・コンクリートパネル、コンクリートブロック、現場打ちコンクリートなどがあります。

盛土材・・・補強土壁の良否は盛土材で決まると言っても過言ではありません。盛土材と補強材との適合性に注意する必要があります。

 

補強土壁の施工方法は、主に下記の通りです。

基礎工打設⇒壁面材の組立て⇒補強材の取付け⇒盛土材のまき出し・敷均し⇒盛土材の締固め

を繰り返します。

 

 

<補強土壁(テールアルメ工法) 施工中写真>

 

 

郡家コンクリートでは、JFE商事テールワン株式会社様のテールアルメ工法『テールアルメ』『スーパーテールアルメ』『アクアテール』を取り扱っています。


次週、テールアルメ工法について詳しくご紹介しますのでお楽しみに!